アクセシビリティをチャンスと捉えてもらう定石的理論

実際、多くの会社が、自分の会社の顧客にどれだけ障碍者が居るかということは、わかってないのが現状でしょう。そして、そうした事をわざわざ調べることも、よっぽどの大企業でなければ、ほぼないと思います。
普通の企業がWebアクセシビリティをコストからチャンスにするには

現状では民間企業の多くはまだまだアクセシビリティへの対応が遅れているのが現状です。そういった状況であなたの会社のサイトがアクセシビリティに対応すれば、「あの会社はわかっている」と、障がいをもつ方がファンになってくれるのではないでしょうか。つまり、アクセシビリティに対応して、そのことを周知することが、「コスト」ではなく「チャンス」になるのです。
(中略)
世の中がまだまだアクセシビリティに対応していない現状だからこそ、ふつうにアクセシビリティに対応することが、そのまま企業にとってチャンスになる、と考えてみるのはいかがでしょうか?

「障がいをもつ方がファンになってくれる」ことが会社にとってチャンスであると捉えられれば良いけど、世の中にそんな会社がどれだけあるのか・・・。非常に短絡的な理論ですよね・・・。でもよく聞きます。
サポート窓口などについて、「電話だけでなくFAXやメールの問い合わせ先も用意してほしい」といった細かい部分で障碍者の要望を聴くことはあっても(多くの場合はコストの関係で用意しているともいえるのですが)、です。そもそも障碍者の定義すら曖昧なまま理解している会社も多いと思います。
2000 年ごろに、ウェブの世界にアクセシビリティという言葉が輸入されて以来(色々な論があるでしょうが、個人的には、篠原さんが邦訳されたウェブ・ユーザビリティ―顧客を逃がさないサイトづくりの秘訣内でアクセシビリティという言葉が登場したのが、ひとつの区切りだと思っています)、およそ10年。言葉の理解度はまずまず進んで、ブラウザ等のソフトウェア側の対応も進んでますが、やっぱり「使えない」「読めない」ウェブページがそのへんに山積されています。
そこには、いわゆる「アクセシビリティに対する総論賛成・各論反対(例:原則としての必要性は認めるが、自分たちのWebサイトは方向性が異なるので一概に優先すべきではない)」(出展元)という現実があると思うのです。この言葉の出展元でも述べられていますが、無制限にユニバーサル化しようとすること自体が間違っている。専門でもない会社が、組織的にそこに注力するのは、まず無理だし、時間・コストの無駄です。そんなことをしようとするから、「総論賛成・各論反対」になり、ばらばらな対応で、必要十分な対応ができない。結果として、アクセシビリティという概念そのものの地位を低下させている。
その点でもウェブで現状のソフトウェア環境でできる範囲内で、アクセシビリティに配慮することが、もっとも現実的で理に適っている。でも、そういった状況を根気よく説明する企業はなかなか見受けられません。