小規模な会社が「全自社制作」をメリットといえるのか

10 人に満たない小規模な会社で、受託開発をはじめ、ウェブ制作などを請け負うとき、「一貫して自社で制作しております」というのをメリットとしてアピールできるのか。可能かどうかといわれれば、もちろん、可能だと思います。むしろ突出した個性を持っていたりする場合も多いし、技術的にも、人員的にも開発も制作も可能でしょう。ただ、それをメリットとしてアピールできるのでしょうか。
クオリティや生産能力は、その会社のスタッフに左右されます。特に小規模な会社の場合、一人有能な人が居て成り立っているという場合も多いのではないでしょうか。逆に言えば、その人がいなくなったら、とたんに「生産能力」を失うのです。そうした場合、急遽人員探しに走ったり、下請け先を探すようになります。後者を選択したら、先のアピール点はうそになってしまう。
有能な人間をそろえるのに苦労するベンチャー企業が多いのは、そうした背景がある。もちろん、ベンチャー企業だけでなく、もっと息の長い経営をしてきた小規模な会社でも同じ。同じ作業を頼んでも、ベンチャーと大企業では算出する予算は大きく違いますが、そうした場合でも単純に大企業を悪くいえない。
もっと危機意識を持って、そうしたリスクの認識・管理ができなければ、5 年や 10 年を見据えた会社運営ができない。僕のような平社員でも気づくリスクについて、会社・経営者が日頃からどう考えているのかが命運を握っているのかもしれません。

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4 Comments

  1. philsci
    Posted 2009年4月23日 木曜日 at 11:29 PM | Permalink

    こんばんは。お久しぶりです。
    よく「一貫して自社で・・・」と言いたくない場合に、「ワンストップ」と言ったりします。その会社で全て内製しているわけではないが、自社でまかなえない業務や技術については、「できる人を知っているからできるだろう」という(笑、見込みでコンペや営業するときの決まり文句になっています。
    ですので、当然ながらそうした見込みで突っ走るディレクターがいると、リスクがあります。僕がまだシステム部に戻っていなかった頃、Oracle を扱える人が誰もいないのに旧○下案件でデータベースを使おうとしたことがあったようです。もちろん、外注さんにお願いするという前提で見積もりを出していませんし、そもそもシステム関連の業務を外の会社さんに頼むとどれくらいかかるか、旧システム部の人間ですら予算感がつかめなかったようで、それはそれは酷い赤字だったようです。

  2. shiten
    Posted 2009年4月25日 土曜日 at 1:53 PM | Permalink

    コメントありがとうございます。返事が遅くなりました。
    一貫して、とかワンストップって、発注側の企業にとって、大きなメリットになるんですかね。もちろん守秘義務契約の中に、下請けに回すときは全部出せ、って言う場合があるから、手数が増えるというのはありますが。
    > 予算間がつかめない
    これは自分の周りもまったく同じです・・・(笑
    日々勉強ですね・・・。
    なかなかコメントできませんが、philsciさんとこのエントリーは勉強になります。

  3. philsci
    Posted 2009年5月2日 土曜日 at 2:21 AM | Permalink

    こんばんはです。
    発注側には、往々にしてこれまでの広告媒体で食べてきた人も多いので、FLASH は誰でコーディングはどこの会社で SEO はあそこで・・・などという判断がつかない人も多いわけです。すると、「IA設計からサーバの構築まで全部やれますよ」という会社に発注する方が楽ではあります。それに、FLASH ならここという会社さんが分からないからといって、いきなり「勇吾さんて幾らなの?」という話をしても(笑、それは実はナショナルクライアント案件でも多くの場合に予算が足りないのです。まだウェブの予算は、テレビ出稿予算の「おこぼれ」くらいの規模でしかありません。
    ちなみにNDAについては、代理店さんから受注するうちの会社が下請けの会社さんに発注しても、代理店さんに「どこへ発注している」と言わなくてもよい場合が多いです。NDAは受発注の制限に使われているわけではなく、情報資産や素材の運用について責任の範囲や所在を明確にするためにあるからです。なので、うちみたいにISMSを取っていると、うちからどこに発注していても、うちがきちんと管理しているであろうと代理店さん側は期待できるので(できなければISMSを取っている意味が無くなります)、具体的にどこへ発注しているかを聞き出しておかなくても、直接発注している先のうちを信用すればよいという図式になるわけですね。
    ・・・という運用が本当にいいのかどうかはともかくとして(笑。

  4. Posted 2009年5月11日 月曜日 at 12:33 AM | Permalink

    なるほど。NDAを結ぶ場合はそういった状況になるんですねぇ。契約時に「他社に出す場合は、その会社の情報を全部出せ」的な文言が入っていることがあるので、なかなか慣習というのがわかりません。まぁうちの地域の特性かもしれませんが。
    ISMSをとるのは重要ですね。先輩の会社が取るときに一緒に勉強したけど、うちの会社でもそろそろ検討しなければ。